オセロは打てる場所が多くあるほうが有利になるゲームです。
石を打つことで相手の石を自分の色の石にするため,必然的に自分が打つ場所が減って,相手が打つ場所が増えます。
そのため,序盤から多く石を取り過ぎると,自分が打てる場所がかなり少なくなります。
しかし打つ場所がある限り,パスをすることはできないので,どのようにして自分が打てる場所をあまり減らないようにするのかが重要となります。
自分が打てる場所があまり減らないような打ち方の基本が「中割り」という打ち方です。
ここでは中割りの手がどういうものかを説明します。
中割りとは
中割りとは字のごとく,中を割る,つまり内側の石を返す手のことです。
まずは具体的な中割りを見てもらいましょう。
白番です。
「>>」で手を進めて下さい。
今回は白がd6に打ってe5の黒石を返しました。
次の図でピンクの四角で囲んだ石が返された石ですね。
その石の周りがオレンジの四角で囲んだ部分です。
オレンジの四角の中で唯一空いていたマスが灰色のマスのd6です。
白がd6に打つことによって,e5の周りのマスに空きマスがないのがポイントです。
このように自分が石を置くことで,返す石の周りがすべて埋まる状況になるのが中割りの1つです。
言い換えると,返される石の8マスのうち,空いているマスが少ないマスに打つ手が中割りと言えます。
中割りにも色々な種類があります。それに,この中割りより良い手がある場合もあります。
しかし現時点では,この中割りを打てるようにすることが大切です。
中割りが良い手とされる理由
オセロにおいて「相手の打てる場所を増やさない手」が良い手とされます。
白がd6に打つ前後で相手が打てるマスの数を調べてみます。
白がd6に打つ前に黒が打てるマスは次の図の×印の12か所あります。
そのうちg2とg7のX(エックス)の2マスを除くと10か所あります。
それでは白がd6に打った後に黒が打てるマスを見てみましょう。
次の図の×印の13か所あります。
そのうちg2とg7のX(エックス)の2マスを除くと11か所あります。
白が打つ前後で,黒の打てる場所は1か所しか増えていません。
相手が打てる場所を1か所しか増やしていないので,良い手だと言えます。
次に白の打てる場所の変化を確認してみましょう。
白がd6に打つ前に白が打てるマスは,次の図の×印の9か所あります。
b7のX(エックス)を除くと8か所あります。
白がd6に打った後に白が打てるマスは,次の図の×印の10か所あります。
b7のX(エックス)を除くと9か所あります。
通常,オセロでは,手を打つたびに自分の色の石が多くなるため,自分が打てるマスの個数は減るはずです。
しかし白がd6に打つ場合は,打てる場所を増やす手になっています。
したがって,相手の打てるマスの個数をほとんど増やさず,自分の打てるマスの個数を増やしているため,非常に良い手ということです。
外側の石を多く返すと悪い手になる
次の図の状態で白がd6以外の場所に打つことを考えてみます。
例えばb4に打つと次のようになります。
「>>」で手を進めて下さい。
白がd6に打った後に白が打てるマスはX(エックス)を除いて9か所ありましたが,b4に打った場合は,次の図のようにX(エックス)を除いて7か所に減ります。
一方,白がd6に打った後に黒が打てる場所はX(エックス)を除いて10箇所ありましたが,白がb4に打った場合は,次の図のようにX(エックス)を除いて15か所になります。
白に比べて黒が打てる場所が,相対的にかなり増えたため,黒が有利になり,白は不利になるということです。
まとめ
自分の打てる場所をあまり減らさず,相手の打てる場所を増やさないようにすることが重要です。
そのためにも,内側の石を返すように,中割りを意識して打ちましょう。